どんな人も最初は何者でもない。グーグルの創業者も普通の大学院生だったし、ジョブズがアップルを始めるときに何の実績があっただろうか。「世界を変える」新しいものを作り出す人は、何者でもないところからいきなり出てくる。それをシリコンバレーの大人たちは皆、過去の経験から骨身にしみてわかっているから、若者たちとの接し方が他の地とは、特に日本とは明らかに違う。  若者たちに志向性の追求と個性の発揮を奨励し、挑戦を促し、真摯(しんし)な失敗に対してはおおらかな態度で接していく。そんな成熟した「大人の流儀」がイノベーションを育む苗床(なえどこ)となるのだ。